先日、ある高校生からこんな相談を受けました。「親の言うとおりにしておけば、悪いのは親だって言える。だから、言うとおりにしておこうかな」。

これ、私にも身に覚えのあることなのです。いつの頃からか、口やかましい親に対して「そんなに言うんなら、そのとおりにしてあげるよ。ただし、責任は親だからね」。そう思って、思考を停止していた私がいました。自分の意見を言っても何も聞いてくれない父親に対して、「いいよ、いいよ」と言いながら、真綿で首を締めるごとく、じわじわと迫りくる母親の『愛情という名の支配』に対して、自分をあきらめたのです。けれども、結局はその時あきらめたさまざまなことが、いつも心の奥底に楔のようにありました。

そんな自分を思い出しながらその子の話を聞いているうちに、「もう一度親と相談してみる」と言いだしたのです。無理やりなかったことにしようとしていた夢の方が、彼女の心のドアをノックしたみたい。「やらずに後悔するよりも、やって後悔した方が私らしいもんね」。そう言って立ち上がった彼女を見ながら、自分を大切にすることの意味を教えられました。本当にやりたいことならば、夢の方が力をくれる。場も時も、仲間もくれる。やり続ける力も、方向修正もしてくれる。そう思えるほどの笑顔でした。

何か障害があると、つい、人や状況のせいにしてしまう。私にはそんな弱さがあります。それが私と認めつつ、それでも、夢をあきらめない強さも持っていたいものです。

『希望は向こうからやってくる』