出会いの妙

「人生は出会いで決まる」

最近、これまでの人生の中で、何気なく出会ってきた人たちが、ふっと繋がることが起こるのです。意図的に繋ごうと思っているわけではありません。出会った時期も違う。今いる環境も、年代も違う。それでも、時満ちて出会う。それはまさに「運命」に導かれているかのような。大いなるみ手が、私たちの人生を操っているかのような。そして、そのどれもが、「今」だからこその出会いなのです。

ふと、森口章先生との出会いを思い出しました。私が育った家を、カウンセリングルーム『沢田の杖塾』として使ってくださっている森口先生とは、私が教師として苦悩している時に出会いました。エンカウンターという教育相談の宿泊研修に初めて行った時のことです。グループを作るゲームで、人数調整で「誰か動いて」と言われ、列の一番後ろにいた私が隣に移ったのです。そこで、森口先生と出会いました。そして、先生が退職を機に、『教師の駆け込み寺』を作りたいと話された時、私はまさに引っ越しすることが決まっていたのです。それが少しずれていても、『沢田の杖塾』は生まれなかったかもしれない。そこで織りなされる人生模様は、なかったかもしれない。一つひとつ、その時でないと起こり得ないものが起こってきたのです。

そして今、私は、『沢田の杖塾』を引き継ごうとしています。これも、大いなるみ手が操って、最善の時に、最善の方法で引き継いでくださるのだと信じています。人は、小さく儚い存在だけれども、でも、無限の可能性を秘めている。そして、一つひとつの出会いが、沢田の杖塾も、未熟な私さえも、育ててくれる。「出会いの妙」を感じながら、改めて、人生に期待し、日々を歩んでいこうと思わされています。