離れられないもの

最近、朝ドラ『おかえりモネ』を見ています。米沢生活にはテレビがありませんでした。だから、何もかも新鮮です。ただ困るのは、見始めるとどこで終えていいのか分からなくなること。ついつい、次は何?とチャンネルを切り替えてしまうし、録画でもしようものなら大変です。テレビって麻薬ですね。スマホもそうかな。

そんな中、今週の「離れられないもの」というテーマで、自分自身を思い巡らせるチャンスをもらいました。実は私は、米沢にいても、いつも心に岡山があったんです。別に、岡山に義理があるわけではないし、家があるからといって、帰らなければならないという思いはなかった。なんなら、家も手放していいとさえ思っていました。実際、岡山に住んでいた時には、離れたいと思っていましたから。では、なぜ帰ってきたのでしょうか。

うまく言えないのですが、自分を育んでくれた「空気感」とでもいうものが、迫ってくることがあったのです。空が青くて高い。空間が広い。心がのびやかになる。必ずしも、いつも良い人間関係の中にいたとは言えません。モヤモヤしたり苦しんだり。それでも確かに、この空気感の中で私は育ったのです。自分を育んでくれた空気感には、何か途方もない力があるみたいですね。

当たり前のように順番に作物はなり、当たり前のように友人はそこにいて、前と同じ空が広がっている。そういう空気感は、いつのまにか体に沁み込んでいるのでしょう。東北で感じていた違和感が、ここにはないのです。それは、とても不思議な感じです。何もかもが全く違う海外に行って、二度と帰れないとなると、割り切れるものなのかもしれませんけどね。

自分の中にあるそんなウエットな部分にも「そうだよね」と声をかけながら、時にはそこから逃げ出したくなる、相反する自分にも「そうだよね」と声をかける。そう。どんな自分が出てきても、その時々に「そうだよね」なんだなと思った今週の朝ドラでした。

『そんな自分も大切な自分』『感情に良い悪いはない』とトータル・カウンセリング・スクールでは言いますが、まさに、どんな自分も私です。どんな自分に出会っても「そうだよね」と声をかけて、自分らしくありたいと思っています。