数年ぶりに、高松の叔父・叔母に会いました。きっかけは、約10年ぶりに会う兄が、「家系図を書きたい」と言ったこと。私もですが、親戚の皆さんも、それぞれお年を重ねておられる。それなら早く会いに行こう、と相成ったわけです。しかし、この兄との旅は、本当に良かった。
叔父は、会わなかった数年の間に、「脳梗塞」「胃がん」「長女を亡くす」…という出来事に遭遇していました。昼食後、少し散歩をした時のことです。半身不随で杖をつきながら歩く、当然、みんなと同じようには歩けない。歩けるところまではともに行き、体力・気力が尽きる前に、「こっちから帰るわ」とさりげなく引き返す。帰りついた家で体を横たえた後は、みんなの輪に戻って、時折話に参加し、一緒に笑う。「叔父は、笑って生きる方を選んだ」。感動でした。
誰の人生にも、自分ではどうにもならないことが起こります。そしてそれは、これでもかというくらい重なって起きたりします。凹んで当然。いじけて当然。人生を呪うことだってある。でも、叔父は笑って生きる方を選んでいる。それは、凄いことです。叔母もそうです。一番近くにいて、同じ痛みや悔しさを味わっていると思うのに、けらけら笑って生きている。その笑顔の奥に秘められた想いを推し量りながら、「また来るね」と手を振って別れました。
『一日一生』。誰の人生にも与えられているのは「今日」という一日だけ。そんな大切なことを思い起こさせてもらいました。いい旅でした。