それでいい、それでいい

「自己肯定感」「自尊感情」をキーワードとした講演会を依頼されました。調べてみると、ふむふむ。「いい自分もダメな自分もそのまんま受けとめる。それが自己肯定感」だって。ふむふむ。

そこで考えた。もしあの時、ひねくれたり自分を卑下したりしたあの時、自分の内側から出てきた感情を、そのまんま受けとめていたら、これも私なんだと受け入れていたら、どうだったんだろうと。ドロドロした自分を正当化するために、言い訳したり、歪んで被害者意識を持ったりすることなく、素直に「ありがとう」や「ごめんなさい」が言えていたかもしれない。自分が傷ついたと思っていたけれども、その傷口は、化膿もそこそこに癒されたかもしれない。もっと軽やかに泥の中も生き抜けたかもしれない。なんだかそうかも…そう思うと、「ありのまま」「そのまま」の自分とは、なんて大切なんだろうとそう思う。

ただ、思うんです。嫌な自分やダメな自分が自分の一部であるように、「ありがとう」や「ごめんなさい」が言えなかったのも、あの時の私の一部。ひねくれていじけていた私も、私の大切な一部。その自分がいてくれたからこそ、今の私がいて、この気づきがもたらされた。そう。人生には、なんの無駄もない。だから、これでいいんだな。今日の自分をそのまんま受けとめて、「ありがとう」と声かける。それが、自己肯定感かなあ。なんて思う年の暮れ。いいお題をいただいて感謝です。

どんな自分も、大切な私の一部。「それでいい、それでいい」。どんな自分へも、そう声かけよう。