『親替え』という言葉をご存知の方もいらっしゃると思います。私は今年、この親替えをていねいにしていこうと思っています。
たとえば、子どもの頃母親から、「人のものは盗ってはいけない」と言われていました。これはごく当たり前のことですが、私の中でこの言葉を「欲しがってはいけない」「ゆずるべきである」と拡大解釈していたことに気がつきました。そこでこれを、「欲しがっていい」「欲しいと言っていい」「ゆずるばかりでなくてもいい」と書き換えてみました。さらに、母と共有したくて言おうと思った言葉を「飲み込みなさい」と言われたことがあります。これを私は、「私の言葉は出してはいけない」と、これまた拡大解釈していました。これも「話していい」「素直に言っていい」と置き換えました。
聞き役になることの多い私ですが、その根底には、「私は話してはいけない」「ゆずるべきだ」が流れていたことに気づき、それを解除したことで、本当に気持ちが軽くなりました。親や時代の価値観を自分の解釈で取り入れていましたが、それが自分を生きづらくしていたことに気づき、ごく当たり前の自分を大切にする方向からの法則に書き換えるこの作業が、私にとっての『親替え』です。相変わらず後から話すことが多い私ですが、今は、「話してもいい」「素直に自分を表現していい」と思っているので、ずいぶん気軽になりました。
なんだかいつも沸き起こるモヤモヤ感や生きづらさの中には、自分で取り込んだ心の在り様があるのかもしれません。『親替え』で軽やか人生を踏み出しませんか。