最初の勤務校でのことです。主任とか管理職の男の人が、ちょっと大きな声を出すと、びくっと震える自分がいました。そして、いたたまれないくらい怖いおもいに占領されてしまうのです。ですから、学校生活が不自由でなりませんでした。だって、大きな声は毎日聞こえてくるのですから。「なぜだろう。どうしてなのだろう」と、繰り返し繰り返し自分に問いかけました。そしてある日たどり着いたのが、「父親と重ねている」ということでした。これが、私が意識した最初の『投影』です。

私の父親は、気が短く、感情的で、気に入らないことがあると、すぐに怒鳴り散らす人でした。ちゃぶ台返しは当たり前。機嫌を損ねないように家族みんなで気を使い、敬遠していました。ですから、父がいない時の我が家の、平和で緩んだ空気が、それはもう心地よかった。天国でした。父は私が就職した年に亡くなったのですが、その父は、私の心の中に住み着いていたのです。もういないのに、同世代の男性の大きな声は、私を震えさせるのでした。

そのからくりに気がついて、内心ホッとしたことを覚えています。「なんだ、私は父の影に怯えていたのか」って。目の前のその人は父ではない。私が叱られているわけでもない。だから、この状況は安全なんだ。そう思って「大丈夫。父ではない。これは、思い過ごしなんだ」そんな言葉を自分に言っていた気がします。

TCS(トータル・カウンセリング・スクール)で、『投影』という心のからくりを教わった時には、感動しました。それ以来、私は父親と重ねて男性を怖がることが少なくなりました。完全になくなったわけではありません。ちょっと残像を感じることはあります。しかし、何も分からなかった頃とは比べ物にならないくらい、平気です。「気づく」ことは「解放」への一歩です。

この夏の岡山でのSGPセミナーでは、この『投影』も学びます。気づきを得られる3日間。ぜひ、ご一緒しましょう。