先日、「目と耳、取られるとしたらどちらを選ぶか」と質問されました。みなさんは、どちらを選びますか?
私は、耳を選びました。目は失いたくなかった。だって、美しい世界を見たいから。花々の、細部に至るまで精密に造られた美しさ。自然の織り成す色合い。そして、モノトーンの世界で生きていた鬱の時から、世界に色があることを思い出したその感動をこれからも見ていたいから。朝ごとの空の美しさを確かめては生かされていることに感謝する、そのひとときを失いたくない。そう思ったから。
とても簡単なことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。『星の王子様』より
現代人は、残すなら「目」を選ぶのだそうです。見えるもので世の中は成り立っているから。私も現代人ですね。
いつの日か、目も耳も両方の機能を失う時が来るかもしれません。その時までに、たくさんの美しいものを見て、たくさんの美しい音楽や言葉を聞いておきたい。そんなことを思います。そして、その時までに、心の目や心の耳を開いておきたい。そんなことを考えた質問でした。
あなたは、目と耳、取られるとしたらどちらを選びますか?
心の目や心の耳、忘れがちですが開いておきたいなと思います。特に人の話を聴くときに開けていると、こころをこめて共感でいるような気がします。なかなか心のゆとりがないとできないのですが。