押し込める

先日、押し入れの戸を開いたら、布団たちがずるずると落ちてきました。どうやら、圧縮袋が緩んで広がっていたようです。ドアをあけたら物があふれ出て引っ越し先を探す、というCMを思い出しました。

心も同じです。噴き出そうな感情を、我慢して押し込めて…。その時はなんとか凌げるのですが、ある時、何かのきっかけでドッカ~ンと噴火する。なんてこと、ありませんか?私はあります。

クラスで、子どもたちの騒ぐ様子をイライラしながら見つつ、いつまで待っても気がつかないものだから、最後にはドカ~ンと叱り飛ばす。なんてこと、しょっちゅうでした。「はいはい。もうおしまいね」「そろそろ座って」「もうすぐ爆発しますよ~」。早めに言えば済むことなのにね。

悲しみも同じです。悲しいのに、なんてことないよというふうに見栄を張っているうちに、いつしか押し込めた悲しみが雪だるま式に大きくなっていく。何かのきっかけで泣ければよいのですが、積もり積もって「怒り」になってしまうこともあります。「こんなに我慢しているのに!!」と。「怒り」の奥には、見て見ぬふりをした本当の気持ちが隠されているのです。

「我慢する」「押し込める」ということは、「ごまかしている」ことなのかもしれません。腹が立つ、悲しい、悔しい…日々、いろいろな気持ちがよぎりますが、そんな気持ちは早め早めに相手に伝えるか、あるいは、安心して話せる場で話させてもらう。できれば時間を決めて。時間に制限があることで、自分の中で整理しやすくなるのです。

一人の時間を持つ。深呼吸。自然の中で行くも良し。好きなことに熱中するも良し。どうぞ、ご自分を大切にしてあげてください。心のメンテナンスは、こまめにね。