私は、その方の「弱さ」を聴かせていただくことが多いのですが、その「弱さ」に触れるたびに、弱さの持つ豊かさを感じるのです。
世の中は、「遅いより早い」「少ないより多い」「できないよりできる」という、より○○ということを重んじる傾向があります。それでいくと、「弱いより強い」がよいとなります。本当にそうでしょうか。。。
誰かの痛みに寄り添えるのは、やっぱり痛みの経験のある人。誰かを待っていられるのも、待ってもらった経験のある人。弱さを安心して語れるのは、聴く人が弱さを持っているから。そういえば、イルカは群れの中で一番弱い仲間のペースの合わせるそうです。だから、イルカセラピーがあるんですね。『包帯クラブ』という映画は、誰かの傷ついた場所に包帯を巻いて手当をする映画。包帯を巻きながら、その痛みを追体験しながら、自分の痛みとも向き合う、そんな映画だったと思います。弱くていいよ。みんな弱さを持っているんだよ。それでいい。と温め合う映画という印象があります。
弱さは宝物。弱さの奥には、その人ならではの宝物がある。だから、安心してその弱さを語ってください。ただ、黙って側にいさせていただきます。そっとそっと。