『承認』と『共感』

『承認』と『共感』の違いは何だと思われますか?

『承認』とは、「一般的には、他人の行為に対して肯定的意志を表示すること」(日本大百科全書)とあります。トータル・カウンセリング・スクール(TCS)では、「相手の存在を認める言葉・行為のこと」と定義しています。そして、承認のはじめは、相手に関心を持つことだと。

たとえば、相手をほめようとすると、相手のいいところや変化を意識して見ます。これが、相手に関心を持つということです。そして、気がついたことをプラスの言葉として相手に伝えていきます。すると、その人は、『承認された』と感じるわけです。この時、その人の外面(カッコいい、スタイルがいい……などなど)だけでなく、内面(さわやか、誠実、温かい、包容力がある……などなど)をほめられると、存在そのものを認めてもらった気がしてうれしくなります。その先にある「気持ち」へとこちらの心が向いて「この人はどんな気持ちかな」と思い始めると、これはもう『共感』への第一歩なのです。つまり、その人の気持ちを分かろうとする態度こそが『共感』なのです。

つまり、『承認』は『共感』の入り口なのです。相手に関心を持ち、相手のいいところに目を向け、言葉として伝えていく。さらに、「この人はどんな気持ちなのかな」と心に目を向ける。そういう人へのかかわり方が、【大切にされた】【愛されている】と感じてもらえるポイントです。『共感』へとすぐに心が向かう人は、すでに『承認力』を持っているのです。切っても切り離せない力。それが『承認』と『共感』なのです。

「『承認』は、認めてもらうこと。『共感』は、分かってもらうこと。」と言った方がいましたが、そのとおりですね。どちらも培っていきたい力です。