30年が経つのですね。ついこの前のように思い出します。
あの時の私は、4年生の担任でした。インフルエンザで出席停止中の明け方、下から突き上げられる衝撃で目を覚ましました。大きな机の下に潜り込み、揺れが収まるのを待ちました。その後、テレビに映る状況に、夢か現実か、あまりの衝撃に立ち尽くしました。
その頃の勤務校には県営住宅があり、やがて、被災された方々の受け入れが始まりました。空き教室には、制服や文具、日用品や私服など、たくさんの品々が寄せられました。私のクラスにも男の子が転校してきました。彼とともに、その教室で必要品を探し求めていた時、何の気なしに、「習字道具は?」と聞いた私に、彼は言いました、「家の下」。。。
どれほど怖いおもいをしたのだろう。この子の友人は、知り合いは、ご無事なのだろうか。配慮に欠けたひと言に反省もしました。あれから30年。あの子はどうしているのかな。心穏やかに過ごしていてほしいな。
春休みに長田区にボランティアに行きました。お弁当やその他の物品の配達でした。焼け跡は、悲鳴が聞こえてきそうな凄惨さで、「戦争」という言葉が浮かび、恐怖を感じました。
忘れてはいけないものだけれども、でも、忘れたい人もいる。災害に対する教訓は、しっかりと考え、活かしたい。私にできることは何だろう。改めて思い巡らせる1・17です。
「今日」が与えられていることの素晴らしさ。生かされているこの命、自分だけのものではないこの命。自分の命も誰かの命も、唯一無二のかけがえのないもの。