「多忙」と「多忙感」

ーー働き方改革が進み「多忙」は徐々に改善されつつあるが、「多忙感」はどうでしょう。ーー

あるコラムで見つけたこの言葉で、思い出したことがあります。2年間の休職の後、復職した2006年のことです。先生方の歩くスピードが急変していたのです。職員室に担任を探しに来た2年生の女の子が、「先生…」と呼びかけた。にもかかわらず、担任の先生は猛スピードで歩いていった。思わずその子と目が合った私は、後ろを振り返る余裕もない現場でやっていけるだろうかと不安に感じたものです。

復職後、算数の補助教員としての日々を送っていた私は、放課後の職員室で、自分がいくクラスの先生方と、よく子どもたちの様子を話しました。その中には、何でもない雑談がたくさん含まれていたんです。ある日、隣の席の先生がしみじみ言われたのを忘れることができません。「雑談って、大切なんですね」。彼は、久しぶりに職員室でたわいもない話をし、大声で笑ったと。一緒に食べるお菓子が美味しかったと。なにげない話で人は繋り、いつしか信頼感やチームワークが育つ気がすると。

この言葉には、「多忙だけれども、多忙感は軽減されている」という雰囲気は感じられると思うのは私だけでしょうか。同僚って、苦悩も喜びもわかち合う仲間であってほしいなと改めて思わされています。

あなたの日々に「多忙感」を置く場所、「多忙感」を分かち合う仲間、がありますように。