灰谷健次郎さん作『天の瞳』の主人公、小瀬倫太郎には、大工のおじいちゃんがいます。普段は無口なんですが、たまに言うことが渋いんです。深いんです。その名言の一つ。
「4+5=9」。これはな、「し・ご・く」と読む。これを「し・ご・と」にするには、「遊び心という1をたすんじゃ」。
「しごく」から「しごと」へ。その橋渡しが遊び心という1だなんて…素敵すぎませんんか。この「1」は、ゆとりだったりユーモアだったり、わいわいやドキドキや。いろいろと考えられます。
「…張り詰めちょったら、速う走ることらできません。健やかに、楽しゅう笑いゆう方が、よっぽど速う遠くまで行ける」(土佐言葉)。朝ドラ『らんまん』での、主人公のお目付け役の竹雄の言葉です。大工のおじいちゃんと同じことじゃん!びっくりしました。そして、嬉しかった。「+1」で起こる革命。心に「1」を、ですね。
その数日後に、またも『らんまん』で名言が。主人公の相手役のお母さんの言葉。「男の人のためにあんたがいるんじゃないの。あんたはあんたのためにここにいるの。だからいつだって、自分の機嫌は自分でとること」。そうなのよね。「自分の機嫌は自分でとる」これこそ大人ですよね~。私も大人になろう。