ー将軍の器とは、他の者を思う心の有る無しであると私は考えております。ー
これは、ドラマ『大奥』の中で、8代将軍吉宗の側近である、貫地谷しほりさん演じる「加納久通」のセリフです。「他の者を思う心の有る無し」。上に立つ人に求められるものは、「私に仕えよ」という傲慢さではなく、「私が仕える」という謙遜さだと改めて教えられました。
「私が」という『我』は、人を見下したり自分を卑下したりというアップダウンの心の状態を生みます。私などは、「私が正しい」と思いがちで、しょっちゅうマウントを取りに行く自分に気づかされます。(私だってやってるよ・できるよ的な)人との比較で生きるのはしんどいものです。上になれば心配だらけ。後で気づいて自分を責めたり。下になれば、これまた情けなくて嫌になる。勝つか負けるかなんて、時によって変わるものだし、その基準も時代や土地柄で変わるものなのに、そんなことに拘ってどうすると突っ込みながらもやってしまう。ふう~。疲れます。しかし、人生がこれで終わるのは、あんまりです。
『我強固(が きょうこ)』という別名を持つ私ですが、そろそろ、卒業したいものです。今日の命に感謝して生きる者になりたい。感謝の心は、ゆとりと他者を思う気持ちを生むと思いませんか。
かえって、あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、仕える人となり、あなたがたの間でかしらになりたいと思う者は、全ての人の僕(しもべ)とならなければならない。(聖書マルコ10:43・44)