こんにちは(*^▽^*) 先生元気プロジェクトの籠井です。
私が出会った子どもたち・・・脳炎
卒業式を控えた3月始め、体育後の着替えの時「先生かゆいよー。」一人の女の子がそう言ってきたのです。その斑点は押しても消えない。風疹です。一週間もすれば治るはずでした。ところが、そろそろ出席停止もとけるかと思って電話した私の耳に聞こえたのは、過呼吸気味の息の荒い声でした。すぐお母さんも帰ってくると言うので、「寝て寝て」と電話を切りました。ところが次の日、その子が緊急入院したと連絡を受けたのです。なんと、風疹のウイルスが脳に入ったというのです。授業後、慌てて病院に駆けつけると、そこには、たくさんの管につながれた意識不明の彼女がいました。声を失い、ただただお母さんと抱き合って泣きました。泣きじゃくりました。担任とは、何と無力なのでしょう。何一つできない。何にもできない。
そんな絶望の闇が3日過ぎた月曜日の朝、出勤前に病院に寄った私に、お母さんがこう言われたのです。「先生、私、あきらめない。必ず、先生のもとにあの子を返すから。必ず返すから。だから先生、がんばろう。」
なんとすごいお母さんなのだろう。私が凹んでどうする。子どもたちの前では泣かない。いつもと同じように安心を届ける。そう腹をくくって出勤しました。泣かないと決めたのに、その子を思うと心がふわふわしてしまう自分と必死に闘ったその夕方、彼女が意識を取り戻したと連絡が入りました。一命を取り留めたのです。生きている彼女には、ちゃんと表情がありました。自分で呼吸をしています。目が、手が、口が動く。それは、生きている証の数々です。お母さんの愛と祈りは、何よりも強かった。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。続きは次回。お目にかかれるのを楽しみにしています。