二つの目

人は 弱い自分を守るために 自分本位に物事を見る第一の目と

厳しく自分をみつめ 自分を律する第二の目を持っています。

この両目はどちらも大切で 後者の方が大切などと言うのは 昔から 病む者や弱者の心を知らない者に決まっています。

病むときは 第二の目よりも 第一の目を肥やし養う時です。

そうすれば 自ずから 第二の目も 養われるでしょう。

お任せしましょう 無駄な時などないのです。   (森口 章)

 

これは、鬱で休職し始めの頃、仕事を途中で投げ出した自分を責め、「迷惑をかけた。申し訳ない」という気持ちがあふれていた時に、沢田の杖塾主宰の森口章先生からいただいた文章です。おかげで、落ち着いて自分を赦し、涙とともに体を横たえることができました。物事をその人の、(あるいは自分の)言動で、つまりその人の外側に見えているところで推し量る時には、第二の目が使われています。そこには自分なりの基準があり、他者との比較も存在します。でも、人には限界があり、みんな弱さを持っています。それを隠して生きていると、いつかは限界がきて壊れてしまうでしょう。時にはゆっくり休んだらと言われた感じでした。「できない」ことは恥ずかしいことではありません。私たちは有限の人間ですから、できないことは当然あります。だからこそ、助け合う関係が紡がれるのではないでしょうか。昨日の「しゃべラボ」から、そんなことを思いました。人は誰しも弱くて小さい。だからこそ、愛おしい。

コロナに大雨、皆さん、まずはご自分を大切になさってくださいね。