こんにちは(^^♪ 先生元気プロジェクトの籠井です。
豪雨被害の激しかった倉敷市真備町。そこを訪れた時に見た風景は、今も私の心に焼き付いています。人影もなく、骨組みになった家だけがありました。そこに息づいていたはずの温もりも思い出も、根こそぎなくなっていました。その風景を思い出すたびに、私の心に「虚無」が広がっていきました。「虚無」はいつのまにか私の心を浸食し、私自身の生きる力を削いでいきました。
そんな時、夕焼けを見たのです。その時思い出しました。夕焼けのあまりの美しさに、被災した友人に「きれいだよ」と連絡した日のことを。「何もかも無くしたと思っていたけど、美しい夕焼けは残ってた」と彼女は感動を分かち合ってくれました。フランクルの『夜と霧』にも、似たシーンが出てきます。ナチスの強制収容所にいて、何もかも、人間としての尊厳さえも奪われた状態でも、美しいものを美しいと感じる心の持ち主がいると。
人は、自分の内側に、生きる力を携えている。それは、どんな状態になっても、奪い去られることのない力。「人生の最後に残るのは、集めたものではなくて、与えたものである」と言った方がおられましたが、何もかも無くしたと思っていても、人には、生きる力が、希望が残っている。夕焼けから「生きろ!」と言われている気がしました。今、私の中には、「虚無」と「生きる力」とがあります。それは、「せめぎ合う」というよりは、「ない交ぜ」になって新たな私を造り出そうとしている感じです。ふるさとの再生を信じつつ、自分自身の新しい一歩も感じていこうと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。またいつかお目にかかれることを信じて。
10月13日(土)13:30~ しゃべラボ 市ヶ谷にて 皆様のお越しをお待ちしています。