「あなたは誰?」認知症となった母に、こう言われた時には、ものすごいショックを受けました。毎日会っているのに…って。やがて、「こんにちは。娘の淑江です」とあいさつするようになりました。
この深淵なる問いを、生まれて初めて自分に問いかけたのは10歳の5月。一緒に暮らしていた祖父が亡くなり、集まってきた親戚の人たちが談笑している横で、「人はなぜ死ぬのか。一人の人が死んでも、世界は何も変わらない。それならば、私はなぜ生まれてきたのか」そんなことをぐるぐるグルグル考えていました。その問いが、先日、ふいに浮かんできたのです。「あなたは誰?」
私は何者で、この人生での使命は何なのか。その使命を生きるために、今、何をすればいいのか。。。使命というと、何かを成し遂げる感じがしますが、もうひとつ、どう生きるか、つまり、人生の指針をどこに置き、何を大切にしていくのかも重要です。西日本豪雨で、一瞬で何もかも根こそぎ奪っていく自然の驚異を身に沁みて感じました。自分が集めたものは、一瞬で取り去られる。ならば、どんな猛威がきても奪われない自分の核を見つけ、それで自分を満たして生きたい。まだまだ揺れている自分を感じながら、今しばらくは「あなたは誰?」と問い続けていこうと思います。
きっと、その先には、自分の内側からあふれる喜びに生きる私が待っているはず。
その先にいるまだ見ぬ自分に出会いたい!