自分を見つける場所

脚本家・桑原亮子さんの言葉は、胸の奥にまで届くものがあります。

今朝の朝ドラ最終回で心の残った言葉は、「貴司君が自分を見つけた場所です」。これは、会社員になったけど馴染めなくて、退職願と共に失踪した貴司君を、幼なじみのくるみちゃんと舞ちゃんが見つけた大瀬崎灯台を見たお母さんが言った、「舞ちゃんと久留美ちゃんが、貴司を見つけてくれた場所やな」という言葉に対しての久留美ちゃんの返事なんです。素敵な返しでしょう。

自分を見つけた場所…私が自分をみつけた場所ってどこだろう。朝から自問自答です。パッと浮かんだのは、屋久島。緑の深さに惹かれて何度も何度も行きました。誰にも会いたくない、息ができない、何もかも捨てたい。深く潤った屋久島の森は、そんな私をそのまま受け入れてくれました。民宿のおやじさんも、何も聞かずにいてくれました。岡山に、自分の生きる場所に帰る飛行機のタラップを踏み出した時に、「生きよう」と思った事。倒木から新芽が出ているのを見て、「命は引き継がれる」と確信した事。悲しい事が次々に押し寄せてきて、「どうしてですか?」「なぜこんなことが起こるの?}と空を見上げて恨み言を言った時に、この空は屋久島に繋がっているということを思い出させてくれた人がいます。

屋久島は、確かに自分を見つけた場所の一つです。そんな場所を持つ私は、しあわせだと思います。あなたにとっての「自分を見つけた場所」は、どこですか?