自分にうそをつきたくない

「自分にうそをつきたくないんです」。先日、公開カウンセリングで一人の若者が言った言葉です。

また、その方はこうも言いました。「等身大の自分で生きている友人を見るにつけ、人の目を気にして人に気を遣う自分に疲れる」。そして、「何より、自分にうそをつくのが嫌なんだ」と。

その場にいた大勢の方が同感だとばかりにうなずいたのはよく分かります。私自身、「よき教師」「よき娘」「よき○○」という枠に自分をはめて生きてきたのですから。人生の大半を人の目や評価を気にしながら生きてきたことを思うと、若い時にそのことに疑問を持ち、自分らしく生きたいと正直に言う若者に感動でした。

「自分にうそをつく」ということに慣れすぎてはいないか。そんな想いも湧いてきました。世の中で生きるには、時にはそんなふうに自分を脇に置くことも場面もあるでしょう。願わくば、脇においた自分を意識して、時に応じてその自分を元に戻してあげたい。自分らしさとは何かを探しながら、誰かのための自分だけではなく、自分のための自分を生きていきたい。そんな思いを確認した時でした。

「自分にうそをつきたくない」あなたはどんなふうに感じられますか?