自分との出会い

ある方と一つの約束をしました。それは、「自分の思い出したことをきっかけに、過去を肯定していこう」ということです。

すでに自分で受け入れていることは、それと同じことが起ころうとも、人からそのことについて何か言われようとも、それほど気にはならないものです。ところが、自分で受け入れていないことは、何かのきっかけで「嫌だ」とか「モヤモヤする」「気になる」という形で、いつまでも追いかけてきます。ですから、自分の中にわき起こった小さなモヤモヤは、自分を知るチャンスとなり、過去の自分と出会う入り口にもなるのです。

そう約束してから、「モヤモヤ」に気がつきやすくなりました。「あれ、このモヤモヤは何だ?ーー「why?」と自分に問うと答えが出てくる。それを5回ほど繰り返すうちに、その正体に出会う。ーーそんなことが『WHYから始めよう』という本に書いてあった気がします。あんまり「why?」と問うと、嫌になることもありますが、それでも、自分を見つけることは嬉しいことです。そして、「ああ、本音はこれか」と受け入れるたびに、心が軽くなります。

最近出会った過去の自分。それは、父親が発していた「近寄るな」というメッセージに怯えていた自分。父は、自分が字を書いたり作業をしたりしている時に、机がちょっとでも動こうものなら「こら~!!」と大声で威嚇してきました。そう。威嚇、です。ですから、私たち子どもは、父が何かを始めると、こそこそと父から遠ざかっていました。そんなことの積み重ねの末に、私は、「近寄るな」というメッセージを受け取っていたのです。だから、年上の男の人が怖いし、少しでも厳しさを感じたら、その人から遠ざかるのが癖になっていました。他の兄弟がどう受け取っていたのかは分かりません。けれども、私は「近寄るな」と受け取り、長い間、厳しさのある人が苦手でした。

何となくは分かっていたことですが、意識して明確にしていくことで、その感情から解放されます。「私は、厳しい人から遠ざかってもいいし、近寄ってもいい。どちらにしても、私は私。それでいい。それでいい」そんな言葉を自分にかけている今日この頃です。

与えられたこの人生。たくさんの幸せを浴びながら生きていきたいと思っています。