今日の命

霜の朝のことです。早朝の霜の中で、交通事故で一人で死んでいった教え子を思い出し、心が痛みました。「行ってきます」と出て行った彼は、帰ってきませんでした。それからわたしは、天に行った教え子たちを思い出していました。

薄暗い夕方、トラックに巻き込まれた5年生の彼。糖尿病で短い人生を閉じた彼。白血病の女の子。「先生、絶対応援して!!」と言って運動会の日、アンカーとして力いっぱい走った後、くも膜下出血で天に召された彼。夏のプールで帰らぬ人になった彼。第二子を迎えに行った帰り道、交通事故に巻き込まれて、奥さんと第一子を失った彼。。。

人生というのは、いつ終わるか分からない儚いものです。だからこそ、かけがえのない今日という一日を大切にしたい。「今日が最初で終わりの日のごとく生きなさい」。いつもそう言われる方がおられますが、本当に、誰にも平等に与えられているのは「今ここ」だけなんですよね。朝目が覚めることも奇跡。夜、布団の中で眠れることも奇跡。そして、人生がいつ終わるのか分からないことも幸せな奇跡。だから元気でいられる。

かけがえのない大切な今。そう思う気持ちと、いつ終わるか分からないからこそ、笑いながらのんきに生きられるゆとり。両方の幸せを想いつつ、与えられた今日を楽しもうと思います。

妹が死んだ後、「妹さんの分まで頑張って生きるのよ」と言われました。でもね、私は、自分の分で精一杯なんです。そして、それでいいと思うのです。自分だけのオリジナルの人生を味わい喜び生きていける2023年に乾杯~🍻