コツコツの味わい

雪は、降り積もった直後の軽いうちに雪かきをしておくと楽です。放っておくと、徐々に固まります。お日さまが照ってとけると水っぽくなり重くなります。それぞれに雪かきの味わいがありますが、やっぱり私は、軽いのがいい!

ある夕方、コツンコツンと音がしました。お隣の方がシャベルで氷を割っておられたのです。「お疲れが出ませんように」と声をかけると、こう言われました。「おら好きだ~。コツコツやっていると、必ず割れんだものな~」。そう言って、割って見せてくださいました。真上からシャベルをコツンコツンと振り下ろします。小さな割れ目が繋がって、ある地点でポコッと塊で割れます。その一つひとつは小さなかけらだけれども、必ず大きくすべてを割る時がくる。そう教えてくれました。「人生と同じですね」と言うと、「ほだな~」「子どもの頃からやってるもな~」って。この方は、こうやって人生のいろいろなことを受け入れて生きてこられたのでしょう。なんとも味わい深いひと時をいただきました。

人生にジャンプの時が来るとしたら、それは、そこに至るまでのコツコツの積み重ねが花開いた時なのですね。何事もコツコツ。その時その時を楽しみながら。人生のコツを教えていただきました。