小学校に勤めていた頃、子どもたちに言っていました。「自分が幸せになるために、人を不幸にするのは、ダメです」。
最近ふと思い出して、今は違う感覚を持っていることに気がつきました。それは、人の世には、はからずも人の幸せを奪ってしまうことがあるから。相手が嫌な思いをしてしまっていることもあるから。たとえ意図的に相手を貶めたとしても、その人が本心に立ち返って、悪かったと謝ることもある。その時に相手を「ゆるす」ゆとりは、誰の心にもあるはず。どんなに時間がかかったとしても、「ゆるし」がもたらす温もりある日々はあると思うんです。
故渡辺和子先生の本の中に、「相手を信じるのは98%にしておきなさい」と言う言葉があります。「残りの2%は「ゆるし」のために取っておくのよ」って。その言葉と出会った頃は、「そんなものかなあ…」と漠然と思ったものです。その後、実際に裏切りにあった時には、「ゆるせない!!」と怒り狂った私です。ゆるせることなどないとも思っていた。そんな私が、今は、「ゆるし」について、こんなふうに思っている。それは、ゆるすことで自分も楽になると心のどこかで感じているからでしょうか。「ああ、いい人生だった」と人生の最後に言いたい私は、「ゆるし」の力を求めているのでしょうか。ゆるしって。。。。。